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2020/09/16
フェザー・フィニッシュ2歩目の置き方に関するコモン・フォールトを見てみましょう。
1.男性はリバース・ターン4歩目で右足を後退(この時、上半身を左回転させません)したなら、次に左脚部はボディの下をスイングし、右脚を通り越して壁斜めにポイントします。ここでコモン・フォールトが起こります。つまり、この左足は単にポイントするだけなのです! 完全に置いて体重を乗せてしまうと、女性はスイングして男性を通り越せなくなります。男性が壁斜めに踊って行ってしまうと、女性をブロックしてしまうからなのです。注意しましょう。
2.コモン・フォールトの中でも最も許し難いのは、女性がウィーブ・エンディングで犯すフットワークの間違いです。実に多くのカップルが、距離を伸ばそうとする余りウィーブの3歩目でロアーしますが、そのために、女性は4歩目左足をヒール・リードしてしまうことです。ウィーブ・エンディングとフェザー・フィニッシュは似ていますが、両者の間には重要な違いがあります。フェザー・フィニッシュは‘SQQ’と踊るのに対し、ウィーブ・エンディングは‘QQQ’ですから、ウィーブ・エンディングでのロアーはありません。従って、女性の4歩目のフットワークは‘T’でなければなりません。
ところで、フェザー・ステップとフェザー・フィニッシュの違いは理解していますか? 非常に分かりにくいと思いますので、ここで説明しておきましょう。フェザー・ステップには右回転が含まれていますが、フェザー・フィニッシュは左回転です。アウトサイド・パートナーで終わる点は共通しています。もう一つお話ししておきましょう。プロムナード・ポジションからのフェザー・ステップはありません。それはフェザー・フィニッシュになります。
3.ビル&ボビーが大好きだったバリエーションの一つに、エクステンディド・リバース・ウェイブがあります。これはリバース・ウェイブ(の6歩)にバック・フェザーとバック・スリー・ステップが加わったものですが、これが色々な問題を引き起こします。問題が起きてそれを解決しようとするとき、ダンサーは回転方向をしっかり理解しておくことが大切です。そして、そこが小節の変わり目だという事も。また、バック・フェザーでは右回転しますが、バック・スリー・ステップは左回転です。第5章で学習できていると思いますが、回転というのは常に同じタイミングで起こるわけではなく、バック・フェザーの右回転はその前のステップで始まりますし、バック・スリー・ステップの左回転はその1歩目の終わりに始まります。前者は積極的に、後者は消極的に行ないます。
エクステンディド・リバース・ウェイブでは男性がよくフットワークの間違いを犯しますので、間違わなくて済む大切なアドバイスをしましょう。男性は第1Qのステップではトウに踏みとどまります!
女性が男性のフェザー・ステップとスリー・ステップを踊るときのフットワークは男性のフットワークと変わらないのに、なぜ男性が女性のフェザー・ステップとスリー・ステップを踊るときは女性のフットワークと同じではないのでしょう? 簡単なことです。女性には高いヒールがあるからです。高いヒールは体重を常に前方へと運んでくれますが、男性が女性と同じフットワークにしてヒールを使ってしまうと、ポイズが後方へ動いて行ってしまい、女性の前進を難しくしてしまうからなのです。
訳者のノート:
エクステンディド・リバース・ウェイブは、(1)リバース・ターンの3歩(SQQ)、(2)バック・スリー・ステップの3歩(SQQ)(ここまではリバース・ウェイブの1~6歩目です)と、(3)バック・フェザーの3歩(SQQ)、(4)バック・スリー・ステップ3歩(SQQ)から構成されています。
男性は(2)と(4)で女性のスリー・ステップを、(3)では女性のフェザー・ステップを踊りますが、オリバーは男性に向かって、「第1Qのフットワークは女性と同じTHではなくて、Tですよ、とアドバイスしてくれています。
女性は(2)と(4)で男性のスリー・ステップを、また(3)では男性のフェザー・ステップを踊るわけですが、男性が踊るときと同じフットワークで踊ります。
4.もう一つ気になるのはチェンジ・オブ・ダイレクションです。テキスト的な話をすると、このフィガーへ入る方法はひとつしかありません。フェザー・フィニッシュだけです。つまり、チェンジ・オブ・ダイレクションの前に来るのは前進のステップという事です。それゆえに、テキストで述べられているチェンジ・オブ・ダイレクションの踊り方は美しく動きが繋がっていいます。
では別の入り方はできないのでしょうか? 例えばフォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットはどうでしょう。これを使った場合、チェンジ・オブ・ダイレクションの前には、左回転するピボットがきますから、チェンジ・オブ・ダイレクションのアクションに変化をつける必要が出てきます。通常チェンジ・オブ・ダイレクションの1歩目が前進する所を、(男性)左足のリバース・ピボットに代えてしまうのです。つまり、チェンジ・オブ・ダイレクションをリバース・ピボットで始め、回転が終わる所で右足をボディの下に置くと、チェンジ・オブ・ダイレクションの効果が得られます。でも、厳密には、チェンジ・オブ・ダイレクションとはいえません。