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コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#33

第58話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#33

2020/06/17

③ボディ・ライズ

説明するのが難しいのですが、ボディ・ライズとはスイング・ライズやプレッシャー・ライズを伴って体の中心(インナー・マスル)が伸びて行くことです。感覚的には息を吸い込む感じに似ていますが、勿論、それとは関係ありません。

おへそのすぐ後ろに感じられる場所を「スポットX」とすると、その「スポットX」を引き上げるイメージです。しかも、胴体は持ち上げずにです!

ボディを高いビルに見立てると視覚化しやすいかもしれません。「スポットX」はエレベーターで、それがビルの中を上下する感覚です。

このボディ・ライズの要素なくしてスイング・ライズもプレッシャー・ライズもあり得ません。例えば、フェザー・ステップでの女性はボディ・ライズのみ使いますが、これは女性が後退のウォークしかしておらず、この1歩から次の1歩へ移るときは、前足のヒールと後ろ足のトウがフロアに着いた状態にあるからです。このため、男性のライズ・アンド・フォールにも制限がかかり、“1の終わり”の最も高い位置であっても、スタンディング・フットのヒールはフロアから僅かに離れている程度に過ぎません。ですから、フェザー・ステップでは男性もボディ・ライズを意識しなくてはならないのです。

良いボディ・ライズの必須条件は、フロアに対してボディ・ウェイトが強くあることです。したがって、プロムナード・ポジションになろうとするときは、垂直なボディ・ラインをスタンディング・フットの親指の真上に持っていくことです。そして、トウでフロアを押し付け、「スポットX」をライズさせます。



“伸び上がるために立て。
進んで行くためにではない!”



ビルのこの説明は、隣の写真からはっきりと見てとれるでしょう。それだからこそ女性も、カーブを描いた自分のボディの中でボディ・ライズすることが可能になるのです。





(第58話おわり)