おどりびよりロゴ

 

コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#10

第35話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#10

2020/01/8

「まっすぐ立ちましょう」を更に詳しく(2)



そういうわけで、胸椎の部分からスタートしましょう。胸椎の後にある背筋は余り強くありませんから、ビルの「胃の練習法」を使って、背中に向かって出ている脊椎の湾曲(後弯)を減らす練習をしましょう。それをすることで、胸椎が持つ決定的な役割を果たせるようになります。





実は、この胸椎の部分は頸椎に次ぐ大きな回旋領域を備えており、こここそが、ダンスの典型的な動きが起こる場所であり、回旋が最大に達することができる場所なのです。また、胸椎の湾曲を小さくすると、その上についているパーツ、即ち頸椎と頭骨が上にあがり、トウの方向、つまり前方に近づきます。

そこからストレッチしていくと、体の前方に出ている頸椎の湾曲(前弯)が少なくなり(軽く顎を引いた状態)、その結果、鼻先が僅かにヒールの方に移動し、図2で示す理想的なバランスになることができます。このバランスになると、もはや頑張ってストレッチしようとしなくても、本来あるべき胸椎の機能を使うことができるようになります。すなわち、旋回機能と横へ動く機能を使うことができるのです。





腰椎に関しては、特に腹筋を締め、軽く腹圧をかけることで骨盤の前傾を防止します。骨盤が前傾していると、よく見かける、腰の後ろが引っ込んだ形になりますが、腹筋を締めることで骨盤が起き、その上にある脊椎を最高のスタート・ポジションに持って行ってくれます。



(第35話おわり)