おどりびよりロゴ

 

コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#43

第68話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#43

2020/08/26

ペンジュラム・スイング


さて、ワルツにペンジュラム・スイングがある事は誰でも知っていますが、このペンジュラム(振り子)とは、ある高い地点から次の高い地点へスイングすることです。ペンジュラム・スイングはゆっくりとしたダウンスイングから始まり、加速し、一番低い地点で最も速くなります。そこから減速が始まり、アップスイングに変わります。

では、ダンスにおけるペンジュラムは、一体どの位の重さであるべきなのでしょう。骨盤付近の重さだと言われることもありますし、いや、重心の重さだ、なんだかんだと言われたりもしますが、実際の所はカップルとしての全体重 ― 二人で天井からぶら下がっている場面を想像してみて下さい ― これがペンジュラムの重さと考えられます。よって、私たちが踊る時、決して自分達の垂直なラインから外れて踊ってはいけないことがはっきり分かって頂ける事でしょう。



“このルールに例外はない!”



スイングで必要なことは、最初のステップを錨のようにしてフロアを捉えることです。そうすると反対のサイドが自由になり1歩目を通り越してスイングしていけます。西部劇で見かける酒場のドアを思い浮かべると良いでしょう。ドアの片側はしっかり壁に取り付けられていますが、もう片側は自由にスイングします。ダンスでも同じ事が言えます。具体例を示すと、ナチュラル・ターン前半では男性は右足をフロアに固定し、左サイドが自由にスイングできるようにするのです。音楽の観点からお話しすると、各小節の1拍目を前もって考えておくことが不可欠です。それをしておけば、1拍目でタイミングを外すことなくステップすることが可能になるでしょう。



シャッセ・フロム・プロムナード・ポジション


最近では、シャッセ・フロム・プロムナード・ポジションで足をきちんと閉じているカップルを見る事が稀有です。なぜなのでしょう? アレックス・ムーアの本(ザ・ボールルーム・テクニーク/以前のリバイズド・テクニックを指す)にはっきりと書かれているではありませんか ― (男性は)両足を壁斜めに向け、LODに沿って踊る ― と! 

これが絶対必要なことなのです。なぜなら、女性は男性を通り過ぎて行く必要があるからで、それを間違って、男性が壁斜めに進んでしまうと、男性は女性の通り道を遮ることになり、女性は間違いなくつまずいてしまう事でしょう。足を閉じるには、横にステップするアクションが必ず必要です。そして、足を閉じたなら、次のステップは少し前に出して(壁斜めに)進行方向を変えます。この足は距離を稼ぐためのものではありません。単に、次に起こるロアーをコントロールするために、体重を乗せるだけで良いのです。



(第68話おわり)