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コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#04

第29話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#04

2019/11/27

第1章 まっすぐ立ちましょう (Stand Straight)


ダンスに関する限り、どんな事をするにおいても、私達は自分の体を可能な限り完璧な形にしておかなければなりません。それは、正確にはどういう事を意味しているのでしょう? 完璧な形とは、最小限の筋肉を使いつつ安定していられる垂直な形の事です。では、安定はどうやって得られるのでしょう? 正しいポスチャーの基本の形は骨格から得られます。脊椎を少し伸ばすことで、脊椎を支える筋肉の働きを向上させ、かつ、最小の動きにすることができます。脊椎をできるだけ垂直にすると、筋肉に余計な仕事をさせないで済みます。すると、自動的に訓練を受けている筋肉組織が体を支えようとする機能を引き継いでくれます。勿論、その時すでに使われている筋肉を使うことはできませんが。

良いダンスをしようと思ったなら、最低限の努力でポスチャーを作り、いつでも自分がしたい動きのために必要な筋肉を自由に使えるようにしておくことが絶対条件となります。そうしておけば、多少バランスを崩しても自動的にバランスを取り直せるからです。体がバランスを保つための(正確には倒れないようにです!)助けを求めると、脳は他の筋肉に助けるよう指示するようになっているからです。

それでは、この正しい形の感覚を得るために、ビル&ボビーが行なっていた練習法とイメージの使い方を紹介しましょう。きっと皆さんのお役に立つことでしょう。



正しいポスチャーの作り方


正しいポスチャーの基本では、骨盤と脊椎(図1参照)が足の上にきます。この形になると、お尻の筋肉がリラックスして、お尻のウェイトがボールの上にきます。また、この形にいると、骨盤から仙骨が解放されて下にさがり、脊椎がストレッチされます。

膝はリラックスしたまま、関節は解放されます。これを別の形で表現すれば、ボディの下に両脚部が“長く”ぶらさがる感じで(膝は伸びきりませんが!)、上半身を支えつつ、胴体の下に垂直に保たれるのです。



「基本的に、重心はいつもサポート・ベースの上に!」



この骨盤のポジションを保つには特定の一連の筋肉が必要とされています。その一連の筋肉とは足の親指から始まって、足の裏を通り、ふくらはぎを抜け、膝裏を登り、丁度お尻の下で終わります。このひとつながりの筋肉は、足の親指がフロアをプレスすると活性化されます。ですから、私達がポスチャーを作る際、基本的な垂直な形が足の親指の上にきた時、既にダンサー自身の体重を通して、この一連の筋肉が活性化されていることになります。



(第29話おわり)