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コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#11

第36話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#11

2020/01/15

体内エレベーター(1)


万全を期すため、ある非常に複雑なシステムについてお話ししようと思います。そのシステムについては、時に部分的に議論されることがあっても、たいていの場合は話題にも上がりません。しかし私達ダンサーは、そのシステムと他の部分との関連性を含めて見ておくことが大切です。そうしなければ、まったく違った方向へ行ってしまうかも知れないからです。

その複雑なシステムを構成しているのは、次の4つの部分です

(1)横隔膜
(2)骨盤隔膜
(3)腹横筋・腹斜筋
(4)腹部後ろ側

さて、横隔膜をイメージするには、丸屋根で下のほうが広がっているサーカスのテントを想像してください。そして、横隔膜は筋肉でできていて肋骨下縁に沿ってあり、緊張すると平たくなります。私達の体は、息を吸うと自動的に横隔膜が下がって平たくなり、そうすると、肺の上のスペースが広がって空気が肺に流れ込むようになっています。

この横隔膜の同類にあたるのが骨盤隔膜です。骨盤はある意味、先ほどのサーカスのテントをひっくり返したような形をイメージすると良いでしょう。骨盤隔膜の筋肉も、やはり緊張させると平たくなります。

横隔膜に緊張を与えた場合、ある種「押しつけるような圧力」が下に伝わり、骨盤隔膜に届きます。反対に骨盤隔膜が緊張すると、今度は骨盤隔膜からの「押し上げるような圧力」が起こって、横隔膜に伝わります。





(第37話につづく)