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コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#41

第66話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#41

2020/08/12

フォーラウェイ


フォーラウェイ・ポジションとは、単純に、カップルがプロムナード・ポジションで後退するだけです。分析するとそれだけのことです。つまり、このように、練習の段階から、それぞれのフィガーがどういう性質のものなのか、また、どういう基本構造になっているのか、という事を分析することが大切です。

フォーラウェイ・ポジションになるフィガーに、フォーラウェイ・リバースというのがあります。このフィガーでは、どの時点でフォーラウェイ・ポジションになるべきか、色々意見がありますが、2歩目でなる場合と3歩目でなる場合とでは、表現が異なるという事に気づいているでしょうか。つまり、どちらの足でフォーラウェイ・ポジションになるにも、自分が何を表現したいのかという考えを明確に持っていなくてはなりません。ビルの考えは2歩目でした!

フォーラウェイでのアクションを分析することは大変重要です。このフィガーが踊られる時の左カーブをイメージしてください。最後のスリップ・ピボット*では、殆ど三日月のような形で男性は後退します。二人がお互いに楽に回転するには、この方法しかありません。男性は2歩目で女性を通り過ぎます。3歩目は自分のボディの下に置くだけで、それ以上出て行くべきではありません。そうすることにより、女性は音楽を体で表現する余裕ができます。男性は3歩目から4歩目の間で自分の右サイドを後退させ、女性は左サイドを使ってフォローします。覚えておきましょう、女性の右サイドは閉じてはいけません! 体の動きに従って足を動かして行くことで、次のフィガーに入るための形になることができます。女性の回転量は大きいですから、女性が頭を右に回転させるのは賢明ではありません。バウンス・フォーラウェイでは違いますが。

女性のヘッド・ウェイトを変えさせるリードをしている時に、回転やシェイプの変化は殆どなく、顔の向きだけが変わり、とても魅力的な形になります。

フォーラウェイのフィガーにはフォーラウェイ・ウィスクもあります。一般的にはプロムナード・ポジションから入るフィガーです。そこからスタートすると、いったんスクエアに戻りますが、このフィガーが作られた当初は、最初のプロムナード・ポジションから最後のフォーラウェイ・ポジションまで、終始プロムナード・ポジションのままで踊り通すフィガーでした。

現代版は違います。プロムナード・ポジションからスタートすると、そこからナチュラル・ピボッティング・アクションを使って1~2歩間で.クローズド・ポジションに戻ります。そこから3歩目で、二人とも後退してフォーラウェイになり、最後の4歩目でウィスクをします。現代版では二人のポジションの変化が加えられているのです。即ち、プロムナード ~ クローズド・ポジション ~ フォーラウェイ ~ ウィスクをしているのです。この間、女性は自分が魅力的と思うヘッドの使い方をすることができます。





(第66話おわり)