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コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#37

第62話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#37

2020/07/15

ナチュラル・ピボットについて


もう一つ、回転につきもののナチュラル・ピボット(ナチュラル・スピン・ターン4歩目の男性のステップで、単にピボットともいいます)のお話をしましょう。このピボットでは常に左足ボールで回転をします。左足ヒールがフロアに軽くタッチ(キス)するのは、ボディ・ウェイトが次の足に移る直前です。そうではあっても、回転はボディの中心から起こり、左足はアクションを継続するのです。右足に体重移動するのは、左足の上で必要な回転量を得てからの後になります。

ピボットのように1歩で行なう回転の他に、2歩間で回転を行なうものもあります。例えばナチュラル・スピン・ターンを例にあげると、男性は1歩目右足でメインの回転を起こし、次の左足との2歩間で回転が行われています。この左足は実際の所は横へのステップで、出て行く方向は、使われる回転量により異なります。



アウトサイド・パートナーとCBM


次に出て来る最も重要なポジションの一つにも、回転を使うとうまく入れるというお話をしましょう。その重要なポジションとはアウトサイド・パートナーです。では、どこに回転が来るのでしょう? それはアウトサイド・パートナーに出ていく前の足の上です。その足の上でサイド・リードというボディの回転を起こすことで、アウトサイド・パートナーに出ていくことが可能になるわけです。



“アウトサイド・パートナーに出るには、
常に前のステップでサイド・リードを使え!”



コントラリー・ボディ・ムーブメント(CBM)は、とても重要な問題ですが、それにも拘わらず、これほど誤った理解のされ方をしている用CBM語はないでしょう。普通に歩いている所を想像すると、スタンディング・フットとは反対の体側が自然に振れて行くのが分かりますが、実は、これがCBMで、実際は大変自然な動きなのです。正しいタイミングで回転ができるようになったら、もはや、CBM についてお話する必要はありませんが、残念なことに、この最も自然に起こるともいうべきCBMをオーバーに使おうとしたり、分割して使おうとしたり、あるいは、そのどちらもやろうとすると、バランスのとれた動きができるどころか、破滅的な結果が待っているだけです。その原因は、ヘッド・ウェイトがスタンディング・フットから外れ、そのために、ヘッド・ウェイトとスタンディング・フットとのコネクションが失われてしまうからなのです。

男性がナチュラル・ターンの1~3歩の後の後退のステップで、誤ったCBMの使い方をするのは冒険的ではありますが、二人の形は、全く望ましくないものになってしまいます。



“CBMとはヒップから肩にかけてが、
スイングして行く脚部の方向に動いて行きながら
回転することだ”





頭の下で回転する


ビル&ボビーにとり、回転とは頭の下で、自分の脊椎の周りを回っていくだけ、という大変シンプルな事でした。もし、頭が回転そのものの一部であるなら、体全体に影響を与えてしまうことでしょう。それを証明するため、ビルはレッスンでちょっとしたネタを使ったものでした。頭の上にレコードとかカップのようなものを乗せてスロー・フォックストロットとかワルツを踊って見せたのです。勿論、いつもと変わらないスイングをして。そのようにして、回転もスウェイも頭の下で起こっている事を見せると同時に、それがバランスを完璧にすることも示したのです。






(第62話おわり)