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コラム「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#28

第53話「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」#28

2020/05/13

足の底屈と背屈


では、スタンディング・レッグのように、フロアについている足を観察してみましょう。スタンディング・レッグの足裏の後ろから前の方につくられる底屈が原因で、体重はアウトサイド・エッジにかかります。しかし、これもダンスではやりたくないことなので、筋肉(腿にある内転筋)を使って、体重を足のインサイド・エッジ側に戻すようにしなければなりません。すなわち、前進運動では親指を十分に使いこなさなければならないことが分かります。
よりよく理解するには、底屈の反対の動き、すなわち、背屈も見ていく必要があります。もし足を背屈させると(つま先が膝の方に向けて上がること)、回内(足のアウトサイド・エッジが持ち上がる)の動きも起こります。ですが、この背屈と回内の組み合わせは、スタンディング・フットでしっかりフロアにいようとする際には役に立ちません。なぜなら、なにもしなくても、体重を通して底屈が起きますから、あまり考える必要はありません。スタンディング・フットではない自由な方の足も大した問題ではありません。なぜなら、ボールルーム・ダンスでもラテン・ダンスでも、足首を曲げた形を作りたいということはありませんから。

要約すると、私たちが希望するような動きや見せ方をするためには、ボールルームであれラテン・アメリカンであれ、特別な筋肉を強化して足や脚部が備える自然な機能を抑制しなくてはならない訳ですが、足や脚部の構造を学ぶことでそういう事が分かってきます。特別な筋肉とは正確には、腿にある内転筋と腓骨筋群を指します。





(第53話終わり)