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2020/05/6
これまで述べてきたことに付け加えたいことがあります。それは、足の全体像としてはねじれた格好になっていると言うことです。立って、右足を自分の前に出しましょう。その右足を内側からみると、足の親指は自分の方にあります。その親指を上から左手で、そして、ヒールを右手で捕まえてください。ヒールからつま先に抜けていく縦軸を見るには、左手で足を反時計回り(自分の方に)に回し、右手で反時計回り(自分から遠ざけるように)に回すと、典型的な足の甲の丸みが出てきます。
この非常に複雑なシステムのどの部分を、ダンサーは最大限に活用すべきだと思いますか?
上下の足関節を動かすすべての筋肉は、二つの関節を覆っていますので、足にある二つの回転軸の機能は、その筋肉を使う順番で決定づけられます。そこには自然な動きが伴うのですが、もし足を底屈すると(即ち、足を伸ばしてトウをフロアの方に向けること。)、その時には必ず回外が起きます。つまり、足のインサイド・エッジが持ち上がるのです。その理由は、足裏の底屈に関わる下肢の強い筋肉が働くからなのですが、あいにくそれは、下の足関節も回外させます。
もしこれを “フリーな状態” の足とするなら、皆さんご存知の、バナナ足(足裏がしっかりアーチを描く形)になってしまいます。しかし、これは私たちがダンスでやりたい形ではありません。そこで私たちがしなければいけないことは、上の方の足関節の底屈に関わり、同時に下の足関節の回内(足のアウトサイド・エッジが上がる)に関わっている筋肉の総てを目一杯に使って、望ましくない足の動きにならないよう帳消しを図るわけです。