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2020/02/5
さて、今まではバランス・ラインの垂線を体の側面から観察してきましたが、片足に立ったときに関係する筋肉とその働きを理解するには、正面からも考察していく必要があります。(図11)
図から分かると思いますが、片足のときのバランス・ラインは親指と人差し指の間に降りてきます。先ほどの、すねと足の間に起こる背屈は、足の親指と人差し指の間の上にきますので、すねが前傾するほどに、親指を縮めようとする筋肉(長拇指屈筋)が動き出してバランスの調整をするような仕組みになっています。
もし、今まで述べてきたようなことが正しく行われれば、体の機能は設計通りに行われます。すなわち、まっすぐに立った、これからボディを前に動かす準備段階の形になります。バイオメカニクスの観点からすると、関節が曲るときの力(トルク)の合計は、ほとんどすべて、関節の前にかかりますが、次に使われる筋肉が僅かに使われて、抑止が働いています。
実は、体全体の前進運動を抑止しているのは、足の親指がフロアにかけるプレッシャーなのです。(図12)