バックナンバー
2020/08/19
ワルツのヒント
ワルツは回転をしながら横へスイングするダンスです。そこがこの踊りの基本的な特徴です。そのボディ・スイングの軌跡が正しくなければ3歩目で脚を閉じるのは、ギャンブルのようなものです。自然な足の形、ゆったりとした動きで脚が閉じられていれば、そのダンサーは本当に正しいアクション、正しいバランスで踊っている証拠です。
他のボールルーム・ダンス同様、テキストからライズやロアーのタイミングを学ぶ事はできますが、残念ながら、その方法については書かれていませんので、ビルの教えを書いて行きましょう。
まず生徒に両足を揃えて立たせ、片足の指でフロアをプレスさせます。次に、両足の指でプレスさせます。プレスすることで足の靭帯が活性化するからです。そして足の靭帯が活性化すると連鎖的に足首、そして脚の下部の筋肉も活性化します。この下方へのプレスがボディを持ち上げることをプレッシャー・ライズといいます。
ライズの二つ目のタイプとしてスイング・ライズがあります。これは音楽の1拍目の終わりで、フロアを圧縮している脚からボディを開放することで得られます。この時のフロアを圧縮することを「インプット」、続く解放を「アウトプット」という事もあります。フロアに対する下方へのプレスから生じるライズはプレッシャー・ライズですが、スイング・ライズの2拍目から3拍目にかけても、このフロアへのプレスが使われています。
ライズだけではなくロアーの体の使い方やボディ・ウェイトのコントロールも非常に重要です。ロアーのアクションはトウから始まり、次に足首、そして膝で圧縮して行きます。コントロールの利いたロアーをすることは必須で、ダンサーのバランス、タイミング、そして筋肉のコントロールなど、全体的なことに影響を及ぼします。
“ロアーから計算してステップ、そしてスイングせよ!”
同様に重要なのがダウンスイングの捉え方です。ビルは、ムーブメントの特性は、このダウンスイングから生み出され、正しい方法と正しいタイミングでダウンスイングが行なわれれば、その当然の結果としてアップスイングは起こる、という考えを持っていました。
3歩目で足を閉じるフィガーであっても、足を開くオープン・フィニッシュのフィガーであっても、1小節で3歩ステップするフィガーを踊るには、このようなワルツの特性に細心の注意を払うことが絶対に必要なことなのです。