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2019/08/28
その日のレッスンが終わり仲間と話をしていると、一人の女性が、
「私、トウを外に向けて開きにくいのです」
と、話してきました。
トウを開くと股関節が広がり、ラテン・ダンスではバランスが良くなりますし、スポット・ターンのような回転時にボディのオーバーターンを回避できます。
私たち夫婦は整体師ではないので、彼女の足首・膝・股関節を直接広げてあげることはできませんが、考え方のヒントは示せるかもしれないと思いました。
そこで、ひとつの例として、トウに上がってもらうと、彼女のヒールはほんの少ししか床から離れません。しかも、上がり方が重そう。
この原因は、本当に「ヒールだけ」を上げてライズしようとしていたからで、それだと、上半身が休んでいるので、上がるのが大変なのです。
「まず、頭が上がろうとします。その上がろうとする頭を助けるようにヒールを上げる――――そんな気持ちでやってみて」
と言うと、少しヒールが上がりました。でも、体がまだ後ろにあります。
原因は、ヒールの真上に脚部の骨が付いているイメージを持っているに違いありません。そこで、
「足の甲を前に出すようにしてみて」
と話すと、
「こうですか?」、
なんてダジャレを言う暇もなく、次の瞬間、叫び声を上げました。
「人生で初めて! こんなに上がったことない! ありがとうございます!」
そこには足首が伸び、トウに高くライズをしている彼女がいました。周りの人たちも大喜びです。
このように、考え方を変えたり、アプローチの仕方を変えてみたりするのは、とても良い方法です。そして、楽しい結果が待っていることがあります。
ダンスでライズするときは、
「足首や甲を前に」と思ってみましょう。