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コラム「お前のパートナーは常に完璧だ」

第8話

2019/02/20

「お前のパートナーは常に完璧だ」

第8話「お前のパートナーは常に完璧だ」

2019/02/20

「レイディー イズ オールウェイズ パーフェクト」

そんなことをよく言うコーチがいる。その名もスティーブ・パウエル。通称パウちゃん。パートナリングに関して私の記憶に残ることを言う人は決まって頭が光っている。

いつも私は彼のレッスンで悩みを打ち明ける。「法子をコントロールできないんだ」。ちょっと考えて軽く返してくる。「ジュン、君がついていけばいいだろう?」。いやいやパウちゃん、リードは男がするものじゃないか。「まぁいいから」。彼の物言いは常に柔らかくそして断れない。

予備歩から法子のペースに合わせ、回転量も速度も全てを法子に合わせた。まぁ、踊れたけど、僕は今まで教わったことをできていない。すると「ジュン! 最高のリードだったぞ!」と顔をクシャクシャにして喜ぶパウちゃん。釈然としないジュン。

またあるとき、「法子が圧迫してくるんだ」。ちょっと考えて軽く返してくる。「ジュン、君が下にいればいいだろ?」。いやいやパウちゃん、男は上にいるものじゃないか。「まぁいいから」。やはり、彼の物言いは常に柔らかくそして断れない。

こんなの良いはずがないと思いながら、法子の下に潜り込むように踊った。まぁ、確かに圧迫は無いけど……。すると「ジュン! 最高のリードだったぞ!」と顔をクシャクシャにして喜ぶパウちゃん。釈然としないジュン。



さぁて。どちらも動画で見ると、確かにレッスン前より良く見える。そうなると釈然としない私の気持ちなんて早く捨てなければならない。自分が正しいと思っていることがハタから見て良く見えるかどうかなんてまぁ、半分以上は外れていると思ってもいい。

前半の「女性をコントロールする」という命題は、コントロールしようとしている意識そのものが女性の動きを妨げていることが多いという事象の表れである。

良いリードとはまさに、女性を美しく見せられるかどうかが鍵であり、女性が最大限のパフォーマンスができるように自分が何をすべきかを知ることこそがリード術である。

結果的に私の邪魔が無くなった法子は、羽を伸ばして踊ることができたのだ。そして、ついていくだけと言ってもフルで踊るパートナーについていくことは必死だ。

そして後者。私は当時「ドミネイト( 支配する)」という言葉をいろんなコーチから言われていて、女性の上に常にいることがドミネイトの第一歩だ、という言葉を受けて一生懸命ボディーを法子の上に上にと覆いかぶせていた。

その結果バランスが悪くなり、下半身がフラフラになったもんで法子のボディートーンに勝てなくなったのだ。下半身を充分使って踊ることになった結果、良いリードとなったわけ。それでもボディートーンは充分訓練されていたのでルックスは悪くなかった。

ということで、「お前のパートナーは常に完璧だ」という言葉の裏は「お前はまだやることがあんだろ。女のせいにするのは10年早いんだよ」ということじゃないかと。これを書きながら未だ釈然としない著者でした。

俺パー的教訓其の八

結果良ければいいじゃない