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コラム「それが器の大きさ」

第7話「それが器の大きさ」

2019/01/20

お前の言うことはいつも的外れだ。まったくわかんない。若かりし淳さんはよく言っていました。実は的外れじゃなかったんです。例えばこんなのです。

① ライズが早いんじゃない?
② もっと左サイド使って
③ アクションが足りない


今の淳さんは「うるさいなぁ」と片付ける前に湯川教授になります。

「実に面白い」



①の場合、ライズのタイミングの話をしていると思いがちだが、実はそうじゃない。より深くロアをすることを望んでいる。そして②の場合、実は右サイドを使うと解消される問題であり、③は相手にアクションを促しそれに合わせてリアクションすることが論理的な解決方法である。

まぁ、摩訶不思議でございます。どう言えばわかるかな。「私のことは気にしないで仕事を優先させて」と言われたとしましょう。「おう。行ってくる」と返事しないまでも「そうか、君は僕のことを優先してくれる優しい子だ。ありがとう」と精一杯気を遣ってみます。

でもその晩彼女は中島みゆきを聞きながら枕を濡らして過ごすのです。別に罠にはめようとしてるわけじゃない。そのときはそう思っているのです。この場合の正解は「君のそばにいるさ」ですね。真に受けちゃいかんのだ、ということです。

しかしこういうことが実際にあると知らずに「言われたとおりにやってあげてるのに、なんでまだダメって言うんだよ」となる場合は多い。まぁ、「やってあげてる」という段階でアウトですが、それはさておき。

女性は感性でものを言うことが多いと以前書きましたが、フィーリングから咄嗟に出た言葉を、そのままを再現しても大抵のことは解決しません。「ということは何をお望みなのだろう?」というワンクッションが男性には必要なのですよ。

僕の場合はですね。「右上げて」と言われればまず左を上げてみます。駄目なら右を下げてみます。「出して」と言われれば引いてみるし、「早い」と言われればもっと早くしてみます。

単純に逆をやるんですね。それで解決した事象は幾千万。法子はそれをたぶん今でも知りません。どうやらこの連載読んでないみたいだし……。

パートナーが望むことの多くは、「先生はこうだった」というボディーメモリーを基に構築されています。ですからその感覚は無条件に信じるべきなのです。彼女から注文があったなら「あ、俺の何かが違うのね」と思って間違いはないでしょう。そこを信じることができなければ次のレッスンまで悩みは解決しません。

だーがしかし、だがしかし。言われたことを鵜呑みにせず、まずは先ほど言いましたように「ということは?」を一度心の中で唱えてください。頭の良いあなたなら真の解決方法が導き出せるでしょう。

残念なことに心の狭い男は「へへーん、実はお前の言ったことの逆をやったんだよん。」と台無しにしてしまいます。好い男というのは決してパートナーを逆撫でしないのです。あぁ、そんな人間に私はなりたい。

俺パー的教訓其の七

逆もまた真なり