社交ダンスの新しいイベント『大さん橋ダンスフェスタ』が6/4に横浜大さん橋ホールで開催されました。昨今大盛況のアマプロMIXコンペや、Spot Lightというショー形式のアマチュアコンペが行われました。
ショータイムでは車椅子ダンスのエキシビジョンやDance performance team YRKによるフォーメーション、藤井創太・中村安里組、石原正幸・石原蘭羅組をゲストに迎えたスペシャルデモンストレーションが披露されました。参加者からは「これだけ楽しめて参加費5,000円はお得すぎる」「また参加したい！」などの声が聞かれました。

主催：大桟橋ダンスフェスタ実行委員会（株式会社YRK.com）
日時：2022年6月4日（土）
会場：大さん橋ホール

イベント開催に先立ち、幅広い世代のダンサー同士が交流を深め新しい企画に挑戦していく株式会社YRK.comが設立されました。世代を越え、楽しみ方の幅を広げ『社交ダンスを“より”面白く！』との設立趣旨です。
会社設立の経緯やイベント開催について、岸はやと代表にお話を伺いました。

社交ダンスをより面白くする"野心"

YRKはそもそも仲のいいダンサーたちの自然発生的な集まりです。20人強の身近で才能溢れるダンサーたちが、少しでも幸せに活躍できるように、そしてもっと社交ダンスが面白いコンテンツだと知ってもらえるように、何かできないかと考えるようになりました。
なぜ会社にしたかという大きな理由の一つは、ダンサーが引退した後の進退に問題意識を持っていたからです。現状では生徒さんに教えることで生計を立てているダンサーがほとんどですが、違った形でダンスを続けられるような取り組みが先々必要になってきます。メンバーには振付が得意だったり、ダンサーならではの映像作りに長けていたり、さまざまな才能を持った人たちがいます。彼らがゆくゆく選手や教えること以外で活躍して、それがダンス界に還元されるような土台を作りたいのです。できるできないではなくて、まずスタートして形にしていけば新しい道が開かれるかなあと。
今回の大桟橋ダンスフェスタのようなイベントを開催するにしても個人でできることには限界がありますし、世代間で取り組みが続いてほしいので、まず枠組み作りをすることにしました。利益を出すことについては、活動についてくる形で実現すればいいなと考えています。社交ダンスで何か新しいことをやりたいという"野心"がある人なら、所属やバックグラウンドにとらわれず誰でもウェルカムです！

大さん橋ダンスフェスタ

今回のイベントは株式会社YRK.comの取り組み第一弾ということで、去年の10月から約半年間準備してきました。コロナ禍で状況が読めない中ですし、最初は資金がないので仲間の助け合いでスタートした形です。今回は鈴木啓先生が実行委員長になって、アマチュアのボランティアの皆さんが本当に良く手伝ってくれました。
『どんな人でも参加しやすい、これまでにない面白いイベント』がコンセプトだったので、流行りのアマプロミックスコンペの他に目玉となるSpot Lightを企画しました。競技とデモンストレーションを融合させた新競技で、課題曲に合わせてアマチュアカップルが一組ずつ１分間のデモンストレーションを披露します。どの曲にどの種目を合わせてもOK。顔が分かれば衣装も自由、１分間なので自分達でも作れるし練習もしやすいはずです。

Spot Light初代チャンピオン 湯澤夏樹・湯澤珠里組
It'my lifeにのせてタンゴを踊りながら筋肉をアピールするコンセプトに会場が大いに湧きました！

初回でまずは競技の認知をしてもらいたいということや、気軽にたくさんの方に参加してほしい、いろんな感想を聞きたいという想いがあり、今回のみ出場料不要・チケット代のみで誰でも出られるようにしました。照明や演出が入って一組ずつ見られるというのは、表現者としていい経験になるはずです。ゆくゆくはこういう形の競技が、公式になるといいなと考えています。ダンスから少し離れていた人や、正規の競技カップルでなくても友達同士で気軽に出られるというのも、裾野を広げることにつながると思います。
何しろ全てが初めての取り組みで業界に浸透していないので、チケットを買っていただくにしても、まずはこういうイベントがあるということを知ってもらわなければなりません。地道な宣伝や開催を続けることで、参加者を広げていければと思います。


次回の開催は2023年5月6日(土)を予定しています。

写真：大さん橋ダンスフェスタ実行員会提供
競技写真・文：賀曽利奈穂