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ニュース2020アジアオープンダンス選手権大会<レポート>

競技会 2020/03/2

2020アジアオープンダンス選手権大会<レポート>

2月23日(日・祝)並びに2月24日(月・振休)、公益社団法人日本ダンス議会(JDC)及びアジアスターライトアソシエーション(ASDA)主催、「2020アジアオープンダンス選手権」が開催されました。


本大会は、世界トップレベルの選手が日本の選手たちと共に一堂に会し、国内で戦う唯一の大会です。
今年はオリンピック・パラリンピックに向けた日本武道館改修のため、グランドプリンスホテル新高輪・飛天の間に会場を移しました。観客と距離が近く、難しい状況の中での催行にも熱い応援が繰り広げられました。

一日目(2月23日)


今年はアジアオープン初の試みとして、プロアマ選手権や、スムースの競技部門が設けられました。ボールルームとラテンを融合させたアーティスティックなスムースに、目が釘付けになったファンの方も多かったようです。

スムース部門で優勝したNikolay Cheremukhin・Viktorija Barasina(アメリカ)


プロオープンボールルーム部門は、年明けのUK選手権で2連覇を果たしたAndrea Ghigiarelli・Sara Ghigiarelli組が、王者の貫禄で引き続き優勝しました。


勝利者インタビュー:
Andrea「とても嬉しいです。絵画のような、美しい会場で踊ることができて幸せです。今後の目標としては、ダンスを楽しみ、ますますダンサーとしての向上を目指します」
Sara「素晴らしいオーディエンス(日本語で)!早く帰って、たくさん練習したいです。どうもありがとう、またね(日本語で)!」

時折、日本語を織り交ぜて感謝の言葉を伝えるGhigiarelli組。会場の笑いと拍手を誘いました。彼らの踊りはとても洗練されて上品でありながら、決勝後にスタス・ナタリアとカップルチェンジをして踊るなど、チャーミングなキャラクターが人気です。

松本光祐・希望組:引退セレモニー


アジアオープン初日のこの日、松本光祐・希望組の引退セレモニーが行われました。


2004年にカップルを結成、2013年に世界ショーダンス選手権に日本代表として出場し、セミファイナル進出という好成績を収めたことからJDCのSA級になりました。ラテン競技から引退後、ボールルームに転向し、約3年という期間でA級に昇級。ボールルームのトップダンサーたちに迫る成績を残しましたが、2019年を持って全ての競技から引退することを決意しました。大変高い人気を誇る松本組の万感の思いを込めたルンバに、会場中が見入っていました。


松本組「今後も踊れる日々を大事に過ごして、ダンス界に恩返ししていきたいと思います」

▼プロオープンボールルーム部門などの一日目の結果詳報はコチラ↓
https://odoribiyori.com/news/20200223-5713/

二日目(2月24日)


二日目のメインイベント、プロラテン部門はUK選手権初優勝の勢いのままSteffano Di Fillippo・Daria Chesnokovaが表彰台トップに登りました。


勝利者インタビュー:
Steffano「Beautiful people, Beautiful floor. とても楽しみました。JDCやオーガナイザー、困難な状況にあっても応援してくれた観客やファンに感謝します。いつも自分たち自身に問いかけ、プロとして、ダンサーとしても成長したい、情熱を持ったまま練習していきたいと思います」
Daria「Never give up for your dream.ダンスをする時も、それ以外の時間も自分たちの夢に身を捧げて、愛を伝えていきたいです。Just, love each other!」


また、二日目のエキシビションとして、ブラインドダンスが披露されました。JDCでは、視覚障がい者の積極的な社会参加の一助となるべくブラインドダンスを全面的にサポートしています。視覚障がい者の方々が行っているスポーツは様々ですが、通常一般的なルールを少し変えて競技を行っているケースが多い中、ブラインドダンス競技会は一般の競技会とほとんど変わらない条件で競技を行い、視覚障がい者と晴眼者が同じ目標に向かって切磋琢磨出来るという利点があります。
実際の競技会では、スピーカの音源や窓からの光源の方向を調節することによってアラインメントがわかるように工夫されています。本大会では晴眼者のパートナーや係員の誘導によって、スムーズにワルツとルンバを披露してしました。

瀬古薫希・知愛組:引退セレモニー


ちょうど一年前、2019年のアジアオープンを最後に長い現役生活にピリオドを打った瀬古組によるデモンストレーションが披露されました。


ジュニア時代からアマチュア選手として8年間活躍の後、2009年にターンプロ。2016年〜2017年統一全日本ダンス選手権で2連覇を成し遂げ、SA級に昇級しました。ずっと日本のラテン競技を牽引してきた瀬古組が、実に25年間もの競技生活を終える決断を下しました。


瀬古薫希「アジアオープンという素敵な大会で引退のセレモニーを行っていただき、本当に幸せに思っております。このような機会をいただいたJDCに感謝すると共に、私たちの競技人生を応援してくれた全ての人に思いを込めて踊ります」

▼プロオープンラテン部門などの二日目の結果詳報はコチラ↓
https://odoribiyori.com/news/20200225-5779/

最後になりましたが、みなさまご承知の通り、昨今問題となっているコロナウイルスの対策として、会場入口でのサーモグラフィーによる体温チェック、マスクの着用、アルコール消毒の励行、スペースに余裕のある選手控え室の設置など各種の対策が取られました。また流行地域に渡航歴のある選手・審査員の参加自粛などが求められました。
このような中で関係者の努力により開催にこぎつけたこと、足を運んだファンの皆様の気持ちを受け、1日も早く困難状況が収束することを願ってやみません。

文/賀曽利奈穂

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