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コラム相棒

第14話相棒

2019/07/5

あらすじ





相棒Season12 第4話「別れのダンス」
2013年11月6日(水)21:00〜21:54

悦子(真飛聖)が出場するボールルームダンス競技会の会場で、大会のスポンサーの社員・茂手木(若林久弥)の他殺体が発見された。悦子の応援に来ていた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、偶然第一発見者となり捜査に協力することに。

茂手木は殺害される直前まで役員控室で仕事をしていたらしい。当日は国際大会で輝かしい成績を収めていた須永(大澄賢也)と礼夏(陽月華)がデモンストレーションを行っていたが、被害者は午後5時10分ごろ、大会終了後に話があると礼夏に電話をかけていた。米沢(六角精児)によると死亡推定時刻は午後3時半から5時半の間。犯行は5時10分から30分までの20分間ということになる。

一方、須永と礼夏のカップルが最近の大会で成績が伸び悩んでいたことが判明。さらに被害者が勤務していたスポンサーは、須永と礼夏のカップルを解消させ、礼夏を新進気鋭のダンサー・芳川(廣瀬大介)と組ませようとしていたことがわかった。ダンサー間にトラブルなどなかったのだろうか…?

華やかなボールルームダンスの舞台裏から浮かび上がる愛憎劇。二転三転する捜査の末に明らかになる意外な犯人と動機とは?

キャスト

特命係・警部 杉下右京:水谷豊
特命係・巡査部長 甲斐享:成宮寛貴
捜査第一課殺人犯捜査第七係・巡査部長 伊丹憲一:川原和久
捜査第一課殺人犯捜査第七係・巡査 芹沢慶二:山中崇史
鑑識課員・巡査部長 米沢守:六角精児
ダンサー 須永肇:大澄賢也
ダンサー 今宮礼夏:陽月華
ダンサー 芳川圭一:廣瀬大介
ダンサー 国東遥子:万里紗


画像・あらすじ/©テレビ朝日


社交ダンスの考証がバッチリ!


前回に引き続き、社交ダンスをテーマにしたテレビドラマのご紹介です。言わずと知れた大人気刑事ドラマ「相棒」に社交ダンスが取り上げられたということで、社交ダンス界でも随分と話題になりました。コラム掲載現在、相棒シリーズのテレビドラマの放映はseason17に突入、劇場版も2017年に第4弾が公開されました。

何よりも社交ダンスファンにとって嬉しいのは、十分に社交ダンスを考証した上でキャスティングや脚本を組み立てている空気が感じられることです。



事件の鍵を握る須永を演じた大澄賢也さんは、ミュージカルなどで活躍するダンサー。



陽月華さんは宝塚出身。元々、悦子役にキャスティングされている真飛聖さんも宝塚出身ですから、画面の中が華やかですね!



何よりも、新進気鋭のカップルを演じる廣瀬大介さんは、ミュージカル俳優や声優としての活躍が目覚ましいですが、おばあさまが社交ダンスの先生で、小学校4年生から中学時代まで習っており競技会にも出場されていたようです。

万里紗さんも趣味がヨガ、アルゼンチンタンゴ、コンテンポラリーダンスだそうですから、関係者が十分考慮の上でキャスティングしたことがわかります。
※余談ですが廣瀬大介さんは、筆者がライターとして主戦場にしている恋愛ゲームのビッグタイトル、「薄桜鬼」の舞台版にも登場しています(感涙)。

また、ケヅカ・テツオ・ダンス・アカデミーやシノダ・スポーツダンスクラブ、ダンスホール新世紀が撮影協力していますから、その点のクオリティには期待が持てるというものです。
もちろん、本職のダンサーを使っていただければ望むべくもないのですが、演技の兼ね合いなども考えると、練られたキャスティングだと思います!

このコラムでは何度も言っていますが、社交ダンスの経験がある人には、キャストにダンスの素養があるかどうかは一目見て分かってしまうもの。首から下を吹き替えても、顔の動かし方で分かっちゃうんですよね〜。できれば社交ダンス経験者を使っていただきたいし、少なくとも練習したな、とか他のジャンルででもダンス経験者を使ったな、という匂いは感じたいものです(え、私だけ?)。

パートナーシップが事件の鍵を握る


このドラマで一番心を打たれたのは、社交ダンスのパートナーシップがきちんとドラマの本筋に織り込まれていたことです。

円満な話し合いの末に解消を決め、一見、新しいカップル結成を応援している元カップルのどちらかが、実は真意ではそうではなかった。逆に、長年続けてきて、他者からの介入で解消させられるなどと、さぞ不本意だろうと思っていたカップルが、お互いを深く思いやっていた……

社交ダンスのパートナーシップは、一説には結婚相手を探すより難しいと言われます。身長差やカップルバランスなどの容姿に始まり、練習のやり方・方針、練習環境、習いたいコーチャー……などなど、カップルを成り立たせる要素を一つ一つ上げていれば、キリがありません。

その中でも、やはり重要なのは実力面、そしてどこを目指したいか。

須永と礼夏は、かつては世界で活躍したカップルでした。けれど、須永のケガなどで、今は須永の方が礼夏の足を引っ張る存在となっています。それを須永は

「ホールドしただけで伝わってくる。彼女が、僕たちの踊りに満足していないということが」

と語ります。それは、どんなにか切ないことでしょう

けれど、事件が全て明らかになった時、礼夏の方もまた、

「あなたが悲しんでいることは、手を通して伝わってきた」

と微笑むのです。

事件は二転三転し、意外な犯人がわかります。

その鍵を握る悲喜こもごも全てにダンスが絡んでおり、須永と礼夏のやり取りの中に、社交ダンスのホールドへの深い理解が滲んでいます。

右京さんが事件を検証する際に、ルーティンの流れを覚えてしまう驚異の記憶力や、角田課長とのシーンなど、ちょいちょいダンスに絡んだサービスシーンがあるのも見所です。
相棒シリーズは平日の昼間に再放送しているので、放映される際はぜひお見逃しなく!